2013年2月4日月曜日

さいたま市職員の不正と百条委員会設置を新聞記事で追う(2012年10月、11月の記事から)

ちくま新書「公務員革命」(太田肇)の20頁に「たしかに、感覚的に言うなら国家・地方を問わず九割以上の公務員はとてもまじめで仕事熱心だ。彼らにアンケートをとっても、住民のため、国民のために役立ちたいという人がたいへん多い。」と書かれています。
日本の一般的な感覚では、地方公務員は法律に従って市民のために尽くそうとするものと考えられているようです。

しかし、僕がさいたま市の区役所や市役所に足を運んで善処をお願いして回った感じでは、「住民のため、国民のために役立ちたいという人がたいへん多い。」という記述には極めて違和感を覚えています

さて、「南区の公園が少ないにしても、市の職員の能力とか意欲よりも、もともとの地理条件など、別の事情があるのではないか」とか、「藤原が市の失政を針小棒大にあげつらっているだけではないか」という感じ方をされる人がいらっしゃるのも当然だと思います。
折しも、昨年後半から新聞でさいたま市職員の不正問題が取り上げられるようになりましたので、僕の主張を判断する一つの材料としていただければと思います。

記事から、
①南部都市・公園管理事務所による公文書偽造疑惑(1年で318件)
②百条委員会設置
③工事費用疑惑
④コンプライアンスについての職員研修実施へ
の4点を取り上げます(青字は各紙の埼玉版から引用したものです)。

①2012年10月20日毎日新聞『公文書偽造で百条委 さいたま市議会 初の設置へ』 「(略)昨年度の都市局など5部局318件の不適正事務処理に関する書類を検査(略)」とあります。

公文書偽造は刑法155条の犯罪で、1項に「1年以上10年以下の懲役に処する。」とあります(傷害罪、窃盗罪、詐欺罪も「10年以下」の刑法犯です)。
318件×1人~1件×318人のどのあたりなんでしょうか。1年で318件ですから、10周年を祝っていたさいたま市、これだけで済むのかという疑問もあります。

同月25日読売新聞には『県虚偽記載 十数人処分へ 知事 「安易な意識 残念」』「(略)知事が全庁調査を命じたという。約1万1000の契約を調べたところ、13件の不正が見つかった。(略)」

さいたま市だけでなく、埼玉県にも公文書偽造問題があります。

②2012年10月20日読売新聞『さいたま市議会が百条委 不正処理問題で、全会派同意』「(略)百条委では、関係者に出頭や証言などを求めることができる。正当な理由なく証言拒否などをした場合は罰則もある。調査権限は不正があった教育委員会などの事務調査を進めている「事務処理等適正化調査特別委員会」に委任する方向で合意した(略)」

国会の国政調査権による証人喚問のようなものでしょうか。成果を期待したいところですが。

2012年11月19日朝日新聞『さいたま市公文書偽造問題 百条委へ出頭直前 次長が死亡 自殺か』「(略)10日の百条委には、次長の他に、南部都市・公園管理事務所の昨年度の所長、次長、管理課公園管理係長の3人が証人喚問に呼ばれている。請負業者との癒着や談合、虚偽公文書作成および同行使違反にあたる行為の有無などについて、尋問を受ける予定だった。」

ご冥福をお祈りします。

③2012年11月21日朝日新聞『選手ベンチ、99万7500円ずつの分割契約 さいたま市議会 百条委が実地調査』「(略)駒場運動公園の選手用ベンチは、座席や台車、外枠など六つに分けて発注され、すべて99万7500円で契約されていた。委員からは「これがそんな値段するの」と、疑問の声が出た。」


④2012年10月23日読売新聞『「法令順守」で職員研修 さいたま市、来年1月にも』「(略)外部有識者を講師に、コンプライアンス(法令順守)について専門的に学ぶ。年1,2回のペースで定期的に実施したい考え。(略)~倫理観の欠如が常態化。契約制度や手続きについての認識不足や、改善点を提案してこなかったことが、問題として浮かび上がっている。」

公園不足問題も、市の諸法令軽視(無知)が原因ですので、実効性のある研修になるように期待したいものですが…。



以上のように、明らかになった部分だけでも1年で3ケタに及ぶ犯罪行為があったことが推測されることから、遺憾ながら、さいたま市の法令軽視は、組織の体質的なものとなっているようにも思われます。

また、年間に公園関係の予算の数十億円のうち、一部が不正行為によって毀損されたために公園整備が遅れたとみることもできるでしょう。

いずれにしても、さいたま市の行政には、市民の厳しい監視が欠かせないと思います。





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