2015年6月9日火曜日

さいたま市だけ、「目標」の不思議

地域主権改革の一環として、それまで都市公園法で定められていた公園関係の数値が平成23年からは、各地方自治体の条例で設定されるようになりました。

他の政令市や、埼玉県内の主要都市の公園関係の条例を見ると、一人当たりの公園面積について、一般に都市公園法施行令の「標準」という言葉が使われていますが、さいたま市都市公園条例だけ、「目標」という言葉が使われています(下表参照)。

標準という言葉は、「DVDの次の業界標準規格はブルーレイだ」のように、それから外れると使いものにならないという意味で強い拘束があります。
条例で「標準」を採った自治体は公園面積の増加に向けて年間計画を立てるなどの必要性が出てくるでしょう。

一方、「A中学バスケ部は県大会出場を目標にガンバっています」のように、目標は実現を目指す水準を示すために使われます。
これでは「公園を作るのを目標にして頑張ります。結果にコミットしません。」と言えそうですが…。

そこで、目標標準で違いがあるのではないかと、さいたま市都市公園課に質問したところ、「特に違いはない」という返事がありました。
それならば、さいたま市南区の一人当たり公園面積が、目標標準の実質3分の1程度しか整備されていないのですから、中期・長期の計画を立てて、不足する57ヘクタールを確実に充当していくべきです。


政令市の都市公園関係の条例一覧


政令市一覧公園関係の条例での文言サイズ
※都市公園法施行令
(条例の元になった政令)
標準(1条の2)市町村全体で10㎡/人 以上
市街地で5㎡/人 以上
札幌市標準(2条)全体で13㎡/人 以上
市街地で10㎡/人 以上
仙台市標準(2条)全体で10㎡/人 以上
市街地で5㎡/人 以上
さいたま市目標(1条の2)全体で10㎡/人 以上
市街地で5㎡/人 以上
千葉市標準〈1条の3)全体で10㎡/人 以上
市街地で8㎡/人 以上
横浜市標準(3条の3)全体で10㎡/人 以上
川崎市標準(2条の2)全体で10㎡/人 以上
相模原市標準(2条)水とみどリの基本計画で設定
(平成31年までに6.3㎡/人 以上)
新潟市標準(2条の3)全体で10㎡/人 以上
市街地で5㎡/人 以上
静岡市不明緑の基本計画の長期目標に
22.3㎡/人 以上とあり
浜松市標準(2条)全体で10㎡/人 以上
市街地で8㎡/人 以上
名古屋市標準(3条の2)全体で10㎡/人 以上
京都市基準(1条の2で施行令・標準を引用)都市公園法施行令と同等
大阪市標準〈2条の3)全体で5㎡/人 以上
堺市標準(4条の2)全体で10㎡/人 以上
神戸市明記なし(1条で施行例・標準を引用)都市公園法施行例と同等
岡山市不明緑の基本計画で、公園・緑地などの
確保量を20.6㎡/人 としている
広島市不明不明
北九州市標準(3条の2)全体で10㎡/人 以上
市街地で5㎡/人 以上
福岡市標準(3条の3)全体で10㎡/人 以上
熊本市標準(1条の3)全体で10㎡/人 以上
市街地で5㎡/人 以上



埼玉県内の主要都市の一覧

近隣市の一覧公園関係の条例での文言サイズ
さいたま市目標(1条の2)全体で10㎡/人 以上
市街地で5㎡/人 以上
川口市標準(4条)全体で10㎡/人 以上
市街地で5㎡/人 以上
蕨市標準(1条の2)全体で5㎡/人 以上
川越市標準〈1条の3)全体で10㎡/人 以上
市街地で5㎡/人 以上
戸田市標準(1条の3)全体で10㎡/人 以上
市街地で5㎡/人 以上
上尾市標準(2条)全体で10㎡/人 以上
市街地で5㎡/人 以上
越谷市標準(1条の2)全体で10㎡/人 以上
市街地で5㎡/人 以上
熊谷市標準(1条の3)全体で24㎡/人 以上
市街地で5㎡/人 以上
所沢市標準(1条の2)全体で10㎡/人 以上
市街地で5㎡/人 以上
春日部市標準(1条の3)全体で10㎡/人 以上
市街地で5㎡/人 以上
秩父市標準(4条)全体で10㎡/人 以上
市街地で5㎡/人 以上
狭山市標準(1条の3)市町村全体で10㎡/人 以上
市街地で8㎡/人 以上
志木市標準(2条)全体で10㎡/人 以上
和光市標準(3条)市町村全体で10㎡/人 以上
市街地で5㎡/人 以上
新座市標準(4条)市町村全体で10㎡/人 以上
市街地で5㎡/人 以上




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