2013年4月16日火曜日

さいたま市南区の公園面積水増し疑惑を検証する

今回の投稿では、①国交省の定めるルールの確認→②南区の緑道の実体調査 によって、公園面積が水増しされているのではないかという疑惑を検証しました。


ただでさえ少なくて子どもたちが困っているさいたま市南区の公園内訳をみると、公園面積とされる30.58haのうち、4.11haを”緑道”ですから、南区の公園の約13.4%を”緑道”が占めます
これを、面積で比較すると、さいたま市全体の”緑道”12.98haのうち、南区だけで約三分の一を占めることになります。
また、緑道の占有割合で比較すると、さいたま市の南区以外の合計だと、8.87ha{緑道}÷601.16ha{総公園面積}×100=約1.48%が”緑道”ですので、南区の”緑道”占有率13.4%とは文字通り桁違いです。
http://parkforkids1.blogspot.jp/2013/03/blog-post_1.html

公園の少ない南区の中に、”緑道”が多く設置されていることに不自然さを感じたので、”緑道”の検証をしました。
結果としては、道幅として「10m~20m」が基準とされている要件を無視して、2m以下の道幅の歩道が”緑道”とされ、公園面積に算入されていること等々が判明しました。
ルール無視が甚だしいので、旧浦和市やさいたま市に、「この地域は公園が少ないから、ただの歩道を”緑道”扱いにでもして、公園面積を水増ししておこう」という意向が働いたのではないかという疑惑を掛けられても仕方ないと感じますが、皆様はいかがお考えですか。
下に書いたルールと実体を把握したうえで、判断をしていただけたらと思います。

以下が検証結果です。

①国交省の定めるルールについて


下の国交省のホームページで、緑道の定義が確認できます。
http://www.mlit.go.jp/crd/park/shisaku/p_toshi/syurui/index.html
災害時における避難路の確保、都市生活の安全性及び快適性の確保等を図ることを目的として、近隣住区又は近隣住区相互を連絡するように設けられる植樹帯及び歩行者路又は自転車路を主体とする緑地で幅員10~20mを標準として、公園、学校、ショッピングセンタ-、駅前広場等を相互に結ぶよう配置する。」
↑から、「a,幅員10~20mを標準として」「b,公園、学校、ショッピングセンタ-、駅前広場等を相互に結ぶよう配置する緑地を「緑道」と定義することが分かります。

②南区の”緑道”の実態調査



ヤフー地図で「南区」「緑道」と検索すると、下のように9か所の緑道が検索されました。
http://yahoo.jp/zsjkXe
表は測定結果です。
相互配置はヤフー地図を拡大してみなさんにも確認していただけます。


幅員の数値は、一桁目を四捨五入しています。
唯一a,b双方の要件を満たす①白幡緑道は、地元では「白幡沼」と言われている沼の敷地内の歩道なので、歩道というより白幡沼の一部という感じです。

② 文蔵(三丁目)緑道です。幅員3.8mです。


③ 上の二枚は辻八丁目緑道です。 せっかく広い場所なのに、禁止事項がずらり。


⑤ 文蔵郷前緑道です。南浦和駅西口のガストの脇から入ります。狭すぎて見落としそうでした。
⑤ 文蔵郷前緑道です。今回の測定で最も狭い1.8mを記録した地点です。



⑧ 六辻水辺公園です。鉢木公園の近くです。いまだに灰皿があちこちにあります。
⑧ 六辻水辺公園の西端付近です。





⑨ 花と緑の散歩道です。武蔵浦和駅から別所沼まで行けます。
計算上は7.5m×1100m=8250㎡=0.825haが公園面積に計上されることになり、ここだけで公園総面積が99.05haある大宮区全体の緑道0.65haを上回ります。

⑨ どこもこんな感じです。


⑨ 自転車利用に関して、道交法第63条の4の歩道のルールが適用されています。
全域で幅が足りないのですから、やはり、”緑道”でなく、ただの歩道でいいのではないでしょうか。



以上です。

まずは、早急に国の定める緑道に関する定義を厳格に適用して、公園面積を公正に計算し直して、水増し疑惑を払拭するべきでしょう(これは市長に提案済みです)。

それから、緑道の占有比率については、例えば緑道としての計上可能範囲を市内平均の3倍までにするなどしてバランスを欠くことの無いようにもして頂きたいと思います。
そうでないと、市があちこちの歩道を勝手に”緑道”に認定して、「さぁ、公園を増やしたよ」と対応することが可能になってしまいます(現状がまさにそれですね。子どもが遊べる場所は増えません)。





1人当たり公園面積のワースト3が緑道占有面積のトップ3と重なるのは、偶然ではないでしょう。
本来なら、一人当たり公園面積が小さい地域ほど、緑道の割合は小さくすべきです。
さいたま市はその逆なので、ただでさえ公園が少ない地域に、緑道の割合が多くなっています。
手厚い子どもの遊び場対策をとるべきです。

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